「人が足りないので、紹介された外国人にすぐ現場へ入ってもらった」「在留カードは下請の社長が見ているはず」「施工管理で採用した社員に、忙しい日は手元作業を手伝ってもらっている」――建設業の現場で、こうした運用に心当たりはありませんか。
2027年(令和9年)4月1日から、外国人に不法就労をさせた事業者を罰する不法就労助長罪の罰則が大幅に引き上げられます。そして建設業は、入管が把握した不法就労者の職種で、男性では建設作業者が最も多い業界です。2026年に入ってからも、解体・土木の現場で外国人を働かせた建設会社の社長が相次いで逮捕されています。
この記事では、建設業で実際に摘発された事例をもとに、何が不法就労とされるのか、2027年4月から何が変わるのか、そして元請・下請の経営者が今すぐ整えるべき確認体制を、出入国在留管理庁(入管庁)などの公表資料に沿って解説します。
この記事のポイント
- 2025年(令和7年)に入管が不法就労を認定した外国人のうち、約3割(4,011人)が建設作業者。男性に限れば4割超で職種別の第1位です。
- 在留資格「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国」)で働けるのは施工管理・設計・積算などの専門業務。型枠・鉄筋・解体・手元作業などの現場作業は対象外です。
- 建設業務への労働者派遣は、労働者派遣法で禁止されています。「人工出し」「応援」の名目で他社の外国人を現場に入れる運用は、入管法と派遣法の二重のリスクを抱えます。
- 2027年4月1日から罰則は「5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金(併科あり)」に。役員が拘禁刑を受ければ、執行猶予が付いても建設業許可の取消し対象になります。
- 「知らなかった」は通用しません。在留カードの確認を怠るなどの過失があれば処罰を免れません。
なぜ今、建設業の外国人雇用が厳しく見られているのか
入管庁の統計では、建設業は不法就労が最も多く見つかっている業界の一つです。2025年(令和7年)に入管が不法就労を認定した外国人は13,435人。そのうち建設作業者は4,011人(29.9%)で、農業従事者に次ぐ第2位でした。男性9,500人に限ると、建設作業者は3,971人(41.8%)で第1位です。
首都圏ではこの傾向がさらに強く出ています。
| 就労場所 | 不法就労者数 | うち建設作業者 | 建設作業者の割合 |
|---|---|---|---|
| 埼玉 | 1,366人 | 826人 | 約6割 |
| 東京 | 925人 | 467人 | 約5割 |
| 神奈川 | 522人 | 326人 | 約6割 |
| 千葉 | 1,967人 | 502人 | 約2.5割 |
出典:入管庁「令和7年における入管法違反事件について」図表10
あわせて、外国人の受入れに関する国の方針は、2026年に入って「秩序」と「適正化」を強く打ち出しています。
| 時期 | 主な動き | 建設業への影響 |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 関係閣僚会議で「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定。在留資格の審査の厳正な運用などが柱に。 | 業務の実態と在留資格の整合性がより重視される |
| 2026年4月 | 入管庁が技人国のガイドラインを改定。 | 特定技能・技能実習で受入れ停止となった企業は、停止期間中、原則として技人国の新規受入れも不可に |
| 2026年5月 | 入管庁が「不法滞在者ゼロプラン」の強力推進パッケージを公表。SNSのサイバーパトロールなど摘発を強化し、不法就労助長罪を各業法の欠格事由に加えるよう関係省庁へ提案する方針を示す。 | 将来、建設業法の許可要件に影響する可能性 |
| 2026年7月 | 新たな「出入国在留管理基本計画」で、技人国の外国人が専門性を要しない現場業務に従事している事案を「対応が必要な不適切な事案」と明記。 | 「施工管理で採用・実態は作業員」という運用は、調査・是正の対象として明確化 |
| 2027年4月1日 | 改正入管法の施行により不法就労助長罪の罰則を引上げ。技能実習に代わる育成就労制度も同日開始。 | 不法就労が発覚した場合の刑事・行政上のダメージが格段に大きくなる |
摘発されて報道される事例は、全体から見ればごく一部にすぎません。一方で、工期に追われる中で「とりあえず現場に入ってもらう」運用が続いている会社は少なくないのが実情です。それでも、「業界ではどこもやっているから」という理由は通用しない段階に来ています。
建設業で摘発された3つの事例
ここでは報道された内容をもとに、建設業で実際に問題となった3つの事例を紹介します(企業名・個人名は伏せています)。
- 概要
- 兵庫県警が、加古川市の土木工事会社の社長と、社員であるその父親を入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕。2人とも容疑を認めていると報じられています。
- 何をしたか
- 2025年8月〜2026年6月、会社の敷地内などで、在留期間を過ぎていたり資格外活動の許可がなかったりしたベトナム人男性4人を働かせた疑い。在留期間などを確認していなかったとされ、働き手であれば誰でもよかったという趣旨の説明をしていると伝えられています。
- 発覚のきっかけ
- 2025年1月ごろ、神戸市内の解体現場で、警察が同社の元従業員だったベトナム人から事情を聴いたことでした。
教訓:「確認しなかった」こと自体が過失そのものです。また、一つの現場での職務質問から、雇っていた会社までたどられます。現場が他社の工事であっても、発覚の入口になり得ます。
- 概要
- 警察が、大阪府豊中市の建設関係会社の社長を入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕。
- 何をしたか
- 2026年4月中旬〜6月上旬、不法残留と知りながら、インドネシア人4人を大阪市や東大阪市の解体現場などで働かせた疑い。別の建設現場で知り合った1人に住む場所の提供を持ちかけて誘い、さらに知人を呼ばせていたとされます。雇用契約は結ばず、約束した日当を払わないこともあったと報じられています。
- ポイント
- 社長は、雇ってはいけないと分かっていたという趣旨で容疑を認めているとされます。
教訓:住まいを用意して囲い込む行為は、条文上の「自己の支配下に置いた」類型にも当たり得ます。寮や宿舎を用意して外国人を受け入れる建設会社は少なくありません。誰を住まわせ、どこの現場に出しているのかを会社として把握しておく必要があります。
- 概要
- 京都府警が、京都市の建設会社の社長を入管法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕。
- 何をしたか
- 通訳などの専門職向けの在留資格で入国したベトナム人3人を、京都市内の工事現場で建設作業に従事させた疑い。働いていた3人も入管法違反で起訴されたと報じられています。
- ポイント
- 事例①②と違い、3人は有効な在留資格を持っていました。それでも、その在留資格で認められていない現場作業をさせれば不法就労です。
教訓:在留カードが有効かどうかだけでは判断できません。その在留資格で、その仕事をしてよいのかが問われます。外国人本人も刑事責任を問われ、会社は人材ごと失うことになります。
3つの事例に共通しているのは、人手不足を背景に「とにかく現場を回す」ことが優先されたことです。誰がどこで確認を止めるのかが決まっていない会社ほど、同じことが起こりやすくなります。
建設業で外国人が働ける在留資格
建設現場で外国人に働いてもらうルートは複数ありますが、現場作業ができるかどうかは在留資格によってはっきり分かれます。
| 在留資格 | 受入れの主な要件・手間 | 現場作業 |
|---|---|---|
| 永住者・定住者・日本人の配偶者等など | 在留カードの確認のみ。在留期限の管理は必要 | 可(就労制限なし) |
| 特定技能1号・2号(建設) | 建設業許可、CCUS登録(会社・本人)、JAC加入、国交省の受入計画認定、日本人と同等以上の報酬、直接雇用のみ | 認定された業務区分の範囲で可 |
| 技能実習 (2027年4月〜育成就労) | 監理団体(育成就労では監理支援機関)を通じた受入れ、計画認定など | 認定された計画の職種・作業の範囲で可 |
| 技人国 | 直接雇用が可能で、支援義務・監理費はない | 不可(施工管理・設計・積算など専門業務のみ) |
| 留学・家族滞在 | 資格外活動許可の有無と、他の勤務先を含めた合計時間の確認 | 許可があれば原則週28時間以内 |
手続きや費用の面だけを見れば、技人国は建設会社にとって「使いやすい」在留資格に見えます。特定技能(建設)は、受入計画の認定やJACへの加入など、他の分野より要件が多いためです。しかし、技人国で認められるのは大学等で学んだ知識や専門的な技術を必要とする業務に限られます。だからこそ、入管も警察も技人国の外国人が現場で何をしているかを重点的に見ています。
不法就労の3つの類型 ― 建設現場での具体例
入管庁は、不法就労を次の3つのケースに分類しています。建設業では、3つすべてが現場で起きています。
| 類型 | 内容 | 建設現場での例 |
|---|---|---|
| ① | 不法滞在者や退去強制が決まっている人が働く | 在留期限が切れた人や、実習先から失踪した元技能実習生を作業員として雇う(事例①②) |
| ② | 就労できる在留資格がなく、許可も受けずに働く | 観光目的の短期滞在者を日雇いで現場に入れる/資格外活動許可のない留学生・家族滞在の人を雇う(事例①)/留学生を原則週28時間を超えて働かせる |
| ③ | 在留資格で認められた範囲を超えて働く | 技人国の社員が型枠・鉄筋・解体などの作業をする(事例③)/技能実習生を計画にない作業に就かせる |
建設業に特有の落とし穴は、自社の社員ではない外国人が現場に入ってくることです。下請・孫請の作業員、知り合いの会社から借りた「人工(にんく)」、一人親方として出入りする人。誰がその人の在留カードを確認したのかが曖昧なまま、現場が回っていることがあります。
③は在留カードを見ただけでは分かりません。在留カードに「技術・人文知識・国際業務」と書かれていても、その人が現場で何をしているかを確認しなければ判断できないのです。
罪の構造 ― 誰が、どこまで責任を問われるのか
1. 処罰の対象は「雇用主」に限られない
不法就労助長罪(入管法第73条の2)は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者のほか、不法就労活動をさせるために外国人を自己の支配下に置いた者や、あっせんした者も処罰の対象としています。条文は「雇用主」に限定していません。
多重下請の建設業では、この点が特に重要です。
- 下請・孫請:外国人を直接雇っている会社は、当然に対象です。
- 元請・上位の下請:直接の雇用関係がないことだけで、責任を免れるとは限りません。自社の指示で現場作業をさせていた実態があったり、不法就労を知りながら放置していたりすれば、対象になり得ます。製造業では、派遣先の工場長が逮捕された例も報じられています。
- 寮や宿舎を用意する会社:事例②のように住まいを与えて働かせれば、「支配下に置いた」とされるおそれがあります。
国土交通省も、特定技能外国人が工事現場に入る際には、現場を管理する元請も在留資格・就労場所・従事業務を確認するよう、下請指導ガイドラインで求めています。
2. 「人工出し」は派遣法違反のリスクも
建設業で見落とされやすいのが、建設業務への労働者派遣は、労働者派遣法第4条で禁止されていることです。知り合いの会社から「人工」として作業員を借り、自社の職長が指示を出して働かせる形は、請負の体裁でも実態は禁止された派遣に当たるおそれがあります。
これに外国人の在留資格の問題が重なると、入管法と派遣法の二重の違反になります。しかも、派遣法第4条第1項違反の罰金刑は、それだけで建設業許可の欠格事由とされています(建設業法第8条第8号)。
3. 「知らなかった」では処罰を免れない
入管法第73条の2第2項は、外国人の在留資格や就労できる範囲を知らなかったことを理由に処罰を免れることはできないと定めています。例外は過失がない場合だけです。入管庁も、在留カードを確認していないなどの過失がある場合は処罰を免れないと明示しています。
在留カードを確認していない、下請の作業員名簿を見ていない、技人国の社員が現場で何をしているか把握していない――こうした状態は過失ありと見られる可能性が高く、「知らなかった」はむしろ確認を怠った証拠になりかねません。
4. 両罰規定で「会社」も罰せられる
入管法第76条の2の両罰規定により、違反行為をした現場代理人・職長・担当役員などだけでなく、会社(法人)にも罰金刑が科されます。
2027年4月1日から何が変わるのか
2024年に成立した改正入管法により、2027年(令和9年)4月1日から不法就労助長罪の法定刑が引き上げられます。
| 項目 | 現行(2027年3月まで) | 改正後(2027年4月1日〜) |
|---|---|---|
| 拘禁刑 | 3年以下 | 5年以下 |
| 罰金 | 300万円以下 | 500万円以下 |
| 併科 | あり | あり |
影響は刑の重さだけではありません。建設業にとって本当に重いのは、処罰を受けた後に、許可と人材の両方が止まることです。
建設業許可が取り消されるおそれ
建設業法では、役員等が拘禁刑以上の刑に処せられると、罪の種類を問わず許可の欠格事由になります(第8条第7号・第12号)。許可を受けた後に該当すれば、許可の取消しの対象です(第29条第1項第2号)。
- 執行猶予が付いても対象です。猶予期間中は欠格事由に当たり、実際に、役員の執行猶予付き判決の確定を理由に建設業許可が取り消された例が各地で公表されています。
- 取消しを受けると、軽微な工事(500万円未満、建築一式は1,500万円未満)しか請け負えなくなり、公共工事の入札にも参加できなくなります。
- 不法就労助長罪の罰金刑だけであれば、現時点では建設業法の欠格事由に含まれていません。ただし前述のとおり、入管庁は不法就労助長罪を各業法の欠格事由に加えるよう提案する方針を示しています。
法定刑の上限が上がれば、悪質と判断された事案で拘禁刑が選ばれる可能性も高まります。社長や役員の刑事処分が、そのまま会社の許可に直結するのが建設業の怖さです。
外国人材の受入れルートも止まる
罰金刑でも生じる主な「その後」の影響
- 特定技能(建設):入管法違反で罰金刑に処せられ、執行終了等から5年を経過しない者は、特定技能所属機関になれません(欠格事由)。現場作業を担う特定技能人材を、新たに受け入れられなくなります。
- 技能実習・育成就労:計画の認定についても同様の欠格事由が設けられています。
- 技人国:2026年4月改定のガイドラインにより、特定技能・技能実習で受入れ停止となっている期間は、原則として技人国の新規受入れも認められません。施工管理や設計の採用にも影響します。
- 人材派遣・職業紹介:不法就労助長罪は、労働者派遣事業・有料職業紹介事業の許可の欠格事由にもなっています。
つまり、一度不法就労助長罪に問われると、現場作業員から施工管理まで、外国人材を採用するルートが一定期間ふさがれてしまうのです。元請や取引先から取引を見直されることも覚悟しなければなりません。罰金を払えば終わり、ではありません。
2026年7月の出入国在留管理基本計画では、技人国の外国人が現場業務に従事している事案は対応が必要な不適切な事案とされました。入管の実態調査で発覚したとき、「次回の在留資格申請が不許可になる」で済むのか、「不法就労助長罪として刑事事件になる」のか――2027年4月以降は、その境目がより厳しく見られると考えておくべきです。
建設会社が今すぐやるべき3つのこと
① 現場に入る外国人の在留カードを「原本で」確認する
採用時と在留期間の更新時に、在留カードの原本で次の項目を確認してください。
- 在留資格(何の活動が認められているか)
- 在留期限(期限切れになっていないか)
- 就労制限の有無(表面の「就労制限の有無」欄)
- 資格外活動許可の有無(従来の在留カードは裏面、2026年6月14日以降に発行された「特定在留カード」は表面に記載)
- 入管庁の「在留カード等読取アプリケーション」(最新版)と「失効情報照会」で偽変造・失効の有無をチェック
自社の社員だけでなく、下請・孫請の作業員や一人親方として現場に入る外国人も対象と考えてください。元請であれば、現場入場時の作業員名簿やCCUSの登録情報と在留資格・在留期限を突き合わせ、下請には在留カードの確認結果を報告してもらう仕組みを作っておきましょう。
② 業務内容と在留資格が合っているかを確認する
技人国の社員については、次の2つの視点で確認します。
視点1:その業務は、専門的な知識・技術を必要とする業務か
判断するのは肩書や名目ではなく実態です。
| 判断 | 建設業での業務例 |
|---|---|
| 該当し得る | 施工管理(工程・品質・安全・原価の管理)、設計・製図(CAD・BIM/CIM)、構造計算、積算・見積り、測量データの解析、海外の発注者・資材メーカーとの通訳・翻訳 など |
| 該当しない | 型枠・鉄筋・とび・左官・内装などの作業、解体・はつり、資材の運搬・荷揚げ、手元作業、清掃、交通誘導。「施工管理」「現場監督」の名目でも、実際は1日の大半を作業員として過ごしているもの |
視点2:専門業務と現場作業が「混在」していないか
たとえば「朝礼と段取りは施工管理、日中は人手が足りない作業に入る」といった働き方です。申請上は施工管理として許可を受けていても、実態として現場作業が混ざっていれば、入管の調査で発覚した際に現場作業に従事させていたものとして不法就労助長罪に問われるおそれがあります。
特定技能・技能実習の外国人については、認定を受けた受入計画・実習計画の内容(業務区分・作業、報酬、就業場所)と実態が一致しているかを確認します。自社で雇っている外国人を、他社に「応援」として貸し出すことはできません。
③ 「止める」ルールを決めておく
建設業は、工期や天候の都合で「明日だけ誰か入ってほしい」という場面が多い業界です。だからこそ、疑わしいときに誰が・何を確認してから現場に入れるのかを社内ルールとして明文化し、確認が取れるまでは現場に入れないことを徹底してください。
- 外国人の採用・配置・応援指示の前に、在留資格と業務内容を照合する担当者を決めている
- 下請契約に、外国人作業員の在留資格確認と報告、不法就労が判明した場合の対応を定めている
- 「人工出し」「応援」で他社の作業員を受け入れない、または受け入れる場合の確認手順を決めている
- 技人国の社員を現場作業の応援に入れないことを、現場代理人・職長に周知している
- 寮・宿舎の入居者と、その人が働いている現場を会社として把握している
- 確認の結果を記録として残している
よくあるご質問
- 下請が雇っている外国人について、元請にも責任はありますか?
- 直接の雇用関係がなければ、直ちに処罰されるとは限りません。しかし、自社の指示で現場作業をさせていた実態がある場合や、不法就労を知りながら放置していた場合は、対象になり得ます。国交省のガイドラインでも、元請が現場入場時に在留資格などを確認する役割が示されています。作業員名簿の確認と、下請契約での確認・報告義務の明記をおすすめします。
- 施工管理で採用した技人国の社員に、人手が足りない日だけ作業を手伝ってもらうのはダメですか?
- 入管庁の考え方では、採用当初の実務研修として、日本人社員と同じように一定期間現場を経験させることは認められる余地があります。しかし、人手が足りない日のたびに作業に入る運用は、資格外の活動にあたるおそれがあります。現場作業も任せたい場合は、特定技能(建設)など、その業務が認められる在留資格での雇用を検討してください。
- 知り合いの会社から、外国人を「人工」として借りるのは問題ありますか?
- 建設業務への労働者派遣は、労働者派遣法で禁止されています。自社の職長が指示を出して働かせる形であれば、請負の名目でも禁止された派遣とみなされるおそれがあります。さらにその外国人の在留資格が現場作業を認めていなければ、入管法違反も重なります。受け入れる前に、契約の形と在留カードの両方を確認してください。
- 現在、技人国の社員が現場作業を中心に行っている可能性があります。どうすればよいですか?
- まずは業務内容の棚卸しを行い、在留資格との適合性を確認することが先決です。そのうえで、施工管理・設計業務への配置の見直しや、特定技能(建設)への在留資格変更の検討など、状況に応じた対応を早めに進めることが重要です。特定技能(建設)は技能試験・日本語試験の合格に加え、国交省の受入計画認定も必要なため、準備には数か月かかります。
- 2027年4月より前の違反なら、軽い刑で済むのでは?
- 刑罰は原則として行為時の法律で判断されますが、刑の重さに関係なく、捜査・報道による信用の失墜や、受入れ停止などの影響は同じように生じます。また、不法就労の状態が4月以降も続けば、改正後の罰則の対象になり得ます。「施行前だから」と先送りする理由はありません。
まとめ
建設業における不法就労助長罪のリスクは、「不法滞在者を雇わない」だけでは防げません。下請・人工・一人親方を含めて、現場に入る人の在留資格を確認すること、技人国の社員が実際に何をしているかを実態で確認すること、そして禁止された派遣の形で人を出し入れしないことが欠かせません。
建設業では、社長や役員の刑事処分が、そのまま建設業許可の存続に関わります。2027年4月の厳罰化まで、残された時間は多くありません。配置の見直しや在留資格の変更には一定の時間がかかります。問題が表面化する前に、今のうちから確認体制を整えておきましょう。
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在留資格該当性チェックの詳細 企業様専用 ご相談フォーム※本記事は2026年10月時点の法令・公表資料および報道に基づいて作成しています。個別の事案の判断は状況により異なりますので、具体的なケースについては専門家にご相談ください。摘発事例は報道に基づくもので、被疑事実の段階のものを含みます。
参考資料
- 出入国在留管理庁「令和7年における入管法違反事件について」
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00011.html - 出入国在留管理庁「外国人の適正な雇用にご協力ください」(不法就労の3類型、在留カードの確認ポイント、不法就労助長罪の厳罰化)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001462230.pdf - 出入国在留管理庁「特定技能 建設分野」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/construction.html - 出入国在留管理庁「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」(最終改定令和8年4月)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001413639.pdf - 出入国在留管理庁「改正法の概要(育成就労制度の創設等)」
https://www.moj.go.jp/isa/content/001415280.pdf - 法務省「出入国在留管理基本計画」(2026年7月)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001467575.pdf - 出入国在留管理庁「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」(令和8年1月23日 関係閣僚会議決定)
https://www.moj.go.jp/isa/policies/others/04_00104.html - 出入国在留管理庁「特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」関係資料(欠格事由)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001440289.pdf - 国土交通省「外国人建設労働者に対する支援義務の一部を業界団体が無償実施・不法就労防止へ元請による現場確認を原則化」(令和元年12月23日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo14_hh_000884.html - 厚生労働省「派遣労働者として就業できない業務」
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/haken/01.html - 建設業法 第8条・第29条(e-Gov法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 労働新聞「不法就労助長を欠格事由に 各業法への追加提案 入管庁」(2026年6月4日)
https://www.rodo.co.jp/news/219925/ - 摘発事例:神戸新聞(2026年7月1日)、MBSニュース(2026年8月25日)、京都新聞(2023年1月11日)



