リサイクル業界で技術・人文知識・国際業務ビザ保有の外国人を採用できるケース-成功事例

1.成功事例

 近年、環境意識の高まりとともに成長を続けるリサイクル業界。弊事務所では、この業界で働く外国人材のビザ申請を多数サポートしてきました。今回は、リサイクル業を営む会社で、どのような職種であれば、外国人に技術・人文知識・国際業務ビザを取得し、働かせることができるかをご説明します。

リサイクル業界の特性と外国人材の活躍領域

 リサイクル業界では主に二つの営業活動が存在します。一つは「仕入れ営業」、つまり不用品を購入する業務。もう一つは「販売営業」、リサイクル処理後の再生資源を販売する業務です。この業界の特徴として、仕入れ先顧客も販売先顧客も法人や個人事業主が中心となっています。この点が、技術・人文知識・国際業務ビザの要件に合致する重要なポイントです。

中国籍のAさんは母国で10年間リサイクル関連企業での勤務経験がありました。日本の先進的なリサイクル技術に関心を持ち、来日を希望していました。当初、Aさんと採用企業は、リサイクル業界が「単純労働」と判断されビザ取得が難しいのではないかと懸念していました。しかし、当社の分析により以下の点を明確化しました。

  1. 業務内容の専門性
    • 企業向け営業として、リサイクル技術の専門知識を活用した提案営業
    • 再生資源の品質評価や価格設定における専門的判断
    • 国際取引における中国語を活用した交渉
  2. 顧客層の特性
    • 主要取引先は法人および個人事業主
    • 一般消費者向けの営業ではなく、BtoB取引が中心
  3. 職歴の関連性
    • 実務経験がリサイクル業務と直接関連

これらの要素を入国管理局に丁寧に説明し、必要書類を綿密に準備した結果、無事に技術・人文知識・国際業務ビザの取得に成功しました。

申請のポイント

リサイクル業界での外国人雇用に関するビザ申請では、以下の点が重要です:

  1. 業務内容の明確化
    • 単純作業ではなく、専門知識を要する業務であることの説明
    • 顧客が主に法人・個人事業主であることの証明
  2. 外国人材の強み
    • 多言語能力を活かした国際取引の可能性
    • 母国とのビジネス展開における橋渡し役としての役割
  3. キャリアパス
    • 将来的な成長機会と専門性向上の見通し