外国語教師の在留資格(ビザ)

➤語学スクール(学校)

外国語教師は、日本で働く外国人の人気職業ランキングで上位です。主に、自身の母国語を教える外国語教師が中心と考えられます。インバウンド需要も高まり、今後も日本人の外国語学習者は増加するため、外国語教師は、今後とも需要のある職業であります。

外国人が語学を教える際の職場として一番最初に思いつくのは、語学スクールではないでしょうか。実際に英会話スクールでネイティブの教師から指導を受けたことがある方は多いと思います。

他にも大学で教授や講師として語学を教えることもありますし、ALTとして中学校や高校で働くこともあります。小学校でも英語教育が必修となったことから外国人教師が働くこともあるでしょう。

また、インターナショナルスクールも外国人教師が活躍する職場の一つです。

1.技術・人文知識・国際業務ビザ

民間の語学スクールで外国人講師を雇用する場合の王道のビザ(在留資格)は「技術・人文知識・国際業務」です。大学を卒業していること、または語学教師として3年以上の実務経験があることが要件となります。そのほか、語学スクールと雇用契約などの契約を結び、日本人と同等額以上の報酬を受けることが必要です。
母国語を教えることが前提とされていますが、母国語でない外国人がこの在留資格を取得することもできます。例えば、フィリピン人は英語が得意であり、このような場合、英語講師として、「技術・人文知識・国際業務」を取得することが可能です。また、中国語が得意な華僑のマレーシア人においても同様のことが言えます。

2.身分系ビザ(日本人又は永住者の配偶者等、定住者、永住)

身分系ビザ(日本人又は永住者の配偶者等、定住者、永住)は、就労に制限がありませんので、当然ながら、外国人講師となることができます。

3.教授

大学で語学を教える場合は、「教授」の在留資格になります。「教授」は、4年制の大学だけでなく短期大学や大学院、高等専門学校で教える場合も該当する在留資格です。これらいずれかの機関で働き、安定した生活ができる十分な収入を得られることが要件になります。

4.教育

小学校や中学校、高校などで語学を教える際の在留資格は「教育」です。「教育」の在留資格は少し複雑で、働く場所や形態によって要件が変わってきます。中学校や高校で教員として教える場合は、日本の教員免許を持ち、日本人と同等学以上の報酬を受けることが要件となります。

他方で、ALTなど教員の補助者として語学を教える場合には、大学か専門学校を卒業、または教員免許を保有していることのいずれかの要件を満たしていなければなりません。さらに、語学を教える言語で12年以上の教育を受けていることも必要です。

なお、語学以外を教える場合には、5年の実務経験が必須となります。

5.資格活動許可を取得する

留学や家族滞在のビザで滞在中の外国人が「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間以内であれば、就労可能となりますので、語学講師となる子も可能です。

不法就労助長罪

不法就労とは、簡単に言うと「日本で就労する資格を持っていない外国人が、日本で就労すること」です。例えば、在留資格を得ていないのに入国したり、オーバーステイ(在留期限切れ)していたり、働けない在留資格で就労したりすることが該当します。
では不法就労助長罪とは、外国人に不法就労をさせたり、不法就労をあっせんしたりした者を処罰するもので、入管法73条の2に規定されています。働けない外国人と知りながら雇用したり、知らなかったとしても身分確認などをきちんと行わないで雇用していた場合に罰せられるということです。不法就労していた本人はもちろん罰せられますが、企業も処罰の対象です。以下(1)~(3)は、よく発生している不法就労助長罪です。

(1)不法滞在の外国人を就労させてしまった場合
(2)就労不可の外国人を就労させてしまった場合
(3)認められていない業務などで働いてしまった場合

(1)の発生防止するためにも、在留カードを必ず確認するのがマストです。(2)は、就労不可かどうかの判断は、専門家ではないと難しいので、行政書士に問い合わせるのをお勧めします。
(3)は、元々語学講師として雇用したにもかかわらず、他の業務(例えば、受付や事務作業)を行わせてしまうと、不法就労となってしまいます。こちらも、詳細は行政書士に問い合わせてみましょう。

不法就労助長罪による罰則は、3年以下の懲役 もしくは 300万円以下の罰金場合によってはその両方が科されます。